秋になるとスーパーの店頭に並ぶさんま。塩焼きが定番ですが、「魚焼きグリルがない」「グリルを洗うのが面倒」という理由で、つい買うのをためらってしまう人も多いのではないでしょうか。実はさんまはフライパンやオーブントースターだけでも、皮はパリッと、身はふっくらとおいしく焼けます。この記事では、グリルなしでできる焼き方2通りと、生臭さを抑える下処理、そして食べきれない分をムダにしない冷凍保存のコツまで、具体的な時間・分量つきでまとめました。
さんまをフライパン・トースターで焼くのをおすすめする理由
- 洗い物が減る:魚焼きグリルの受け皿や網は焦げつきやすく洗うのが大変ですが、フライパンなら普段使いのもので済みます。
- 煙とニオイが控えめ:グリルの直火に比べて油はねが少なく、換気の負担も軽くなります。
- 賃貸でも扱いやすい:魚焼きグリルが備え付けられていないコンロでも、フライパン1つで塩焼きが再現できます。
下処理(臭み対策の第一歩)
下処理のコツ
水気をしっかり拭き取る
流水でうろこと汚れをさっと洗い流し、キッチンペーパーで水気を丁寧に拭き取るのが臭み対策の第一歩。内臓が気になる人はここで取り除いてもOK。
材料(1〜2人分)
- さんま:2尾
- 塩:小さじ1/2(下味・臭み抜き用)
- キッチンペーパー:適量
手順
- さんまの表面のうろこが気になる場合は、包丁の背で尾から頭に向かって軽くこそげ落とし、流水でさっと洗う。
- 内臓を取り除きたい場合は、エラの下あたりに包丁を入れて頭を落とし、腹を斜めに切って中身をかき出し、流水でお腹の中まで洗う(内臓ごと焼く塩焼きにする場合はこの工程は省略可)。
- キッチンペーパーで表面と内側の水気を丁寧に拭き取る。水気が残っていると生臭さの原因になるうえ、油はねもしやすくなる。
- 焼く10分前に全体に塩小さじ1/2をふり、常温に置く。塩が臭みを抑え、余分な水分も引き出してくれる。焼く直前にもう一度水気を拭き取ってから焼く。
作り方1:フライパンで焼く(グリルを汚さない方法)
グリルを汚さない焼き方
フライパンで皮パリ・身ふっくら
油小さじ1をひき、皮目から中火で4分。裏返して弱めの中火で3〜4分。脂を拭き取りながら焼くと生臭さが残りにくい。
材料(2尾分)
- さんま(下処理済み):2尾
- サラダ油:小さじ1
- 大根おろし・すだちやレモン:お好みで
焼き方(時間・火加減つき)
- フライパンにサラダ油小さじ1をひき、キッチンペーパーで薄く全体にのばす。さんまが1〜2尾ゆったり入るサイズのフライパンを使うと返しやすい。
- 皮目を下にして並べ、中火で4分焼く。途中で動かさず、皮がしっかり色づくまでそのまま待つのがパリッと仕上げるコツ。
- 裏返して弱めの中火で3〜4分焼く。フライパンから出てくる脂はキッチンペーパーでこまめに拭き取ると、生臭さが出にくく煙も抑えられる。
- 竹串を身の中心に刺し、透明な脂が出てきて中まで熱が通っていれば完成。厚みがある場合はさらに1〜2分、蓋をして蒸し焼きにすると中心まで火が入りやすい。
合計の調理時間は目安で7〜9分です。フタをして焼くと油はねが減り、コンロ周りの掃除もラクになります。
作り方2:グリルがない時はオーブントースターで代用
グリルがない時は
オーブントースターで10分
アルミホイルをくしゃっと敷いて油を薄く塗り、200度で10分ほど。煙が出にくく後片付けも簡単。焦げやすいので7分で一度確認を。
- トースターの受け皿にアルミホイルをくしゃくしゃにしてから広げて敷く(凹凸があると余分な脂が下に落ち、べちゃっとしにくい)。
- ホイルの上にサラダ油を薄く塗り、下処理をしたさんまをのせる。
- 200℃で10分を目安に焼く。機種によって火力差があるので、7分たったところで一度様子を見て、焦げが強ければアルミホイルを軽くかぶせるとよい。
- 皮に焼き色がつき、竹串を刺して透明な脂が出れば焼き上がり。トースターは庫内が狭く焦げやすいため、目を離さないようにする。
グリルより煙が少なく、後片付けはアルミホイルを丸めて捨てるだけなので、洗い物がほぼ出ません。
おいしく仕上げるコツ・失敗しないポイント
- 生臭さが気になる場合→下処理の塩と水気拭き取りに加えて、焼く直前に酒を小さじ1ふるとさらに臭みが和らぐ。
- 皮が破れる場合→フライパンの温めが不十分なまま並べると皮がくっつきやすい。油を全体にのばしてから中火でしっかり温め、焼いている途中はできるだけ動かさない。
- 生焼けが心配な場合→さんまは厚みがあるため、太い個体は焼き時間を1〜2分延ばすか、フタをして蒸し焼きにする。竹串を刺して透明な脂が出るか、身が白く色づいているかで判断する。
- 骨が気になる場合→焼き上がったら中骨に沿って箸で身をなぞるように開くと、骨が外しやすくなる。
保存方法(冷蔵・冷凍の日数の目安)
冷凍保存のコツ
下処理してから2〜3週間目安
頭と内臓を除いて洗い水気を拭いたら1尾ずつラップで包み、空気を抜いて保存袋へ。冷凍で2〜3週間、冷蔵なら2日以内に食べきって。
冷蔵保存
生のさんまは傷みが早い魚のため、購入したら当日か翌日(2日以内)に食べきるのが目安です。内臓を取り除き、水気を拭いてラップに包んでから冷蔵庫のチルド室で保存すると鮮度が保ちやすくなります。
冷凍保存
すぐに食べない場合は、頭と内臓を取り除いて流水で洗い、水気をしっかり拭き取ってから1尾ずつラップでぴったりと包み、空気を抜いて冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。この状態で冷凍で2〜3週間を目安に食べきりましょう。すでに焼いたさんまも、粗熱を取ってから同様にラップと保存袋で包めば冷凍で2〜3週間保存できます。解凍は冷蔵庫に移して自然解凍するか、凍ったまま焼き時間を2〜3分長めにして加熱調理してください。
食中毒予防(アニサキス対策)
食中毒予防(重要)
目視で除去し中心まで加熱
アニサキスは酢や塩、しょうゆでは死にません。調理前に切り身をよく見て除去し、中心温度60度以上で1分以上加熱を(厚生労働省・農林水産省)。
さんまなど青魚の内臓表面には、アニサキスという寄生虫がついていることがあります。厚生労働省によると、アニサキスは酢・塩・しょうゆに漬けても死滅しません。予防のポイントは「新鮮なうちに内臓を取り除く」「切り身をよく見て目視で確認する」「中心部まで加熱・冷凍する」の3つです。加熱するなら中心温度60℃で1分以上(または70℃以上なら瞬時に)、冷凍するなら-20℃で24時間以上(家庭用冷凍庫の場合は-18℃で48時間以上を目安に)でアニサキスは死滅するとされています(厚生労働省)。今回紹介したフライパン焼き・トースター焼きはどちらも中心までしっかり火を通す調理法なので、加熱によるアニサキス対策になります。冷凍保存したさんまも、解凍後は必ず加熱してから食べてください。
アレンジレシピ
1. さんまの蒲焼き風
材料:さんま2尾(3枚におろす)、しょうゆ・みりん・酒各大さじ1、砂糖小さじ1、片栗粉適量
作り方:さんまに薄く片栗粉をまぶし、油をひいたフライパンで皮目から中火で3分、裏返して2分焼く。合わせ調味料を加え、とろみがつくまで強めの中火で1分煮からめる。ご飯にのせれば丼にもなります。
2. さんまの竜田揚げ
材料:さんま2尾(3枚におろす)、しょうゆ・酒各大さじ1、しょうが汁小さじ1、片栗粉適量
作り方:調味料に10分漬け込み、水気を拭いて片栗粉をまぶし、フライパンに油を1cmほど入れて中火で片面2分ずつ揚げ焼きにする。グリルより油はねが少なく、少ない油で揚げ物気分が楽しめます。
3. さんまの冷凍ストックで作る炊き込みご飯
冷凍しておいたさんまを凍ったまま米・しょうゆ・みりん・酒と一緒に炊飯器に入れて普通に炊くだけ。骨を取り除いて身をほぐし、混ぜ込めば秋の炊き込みご飯になります。
節約・時短まとめ
さんまは1尾あたり150〜250円前後で購入でき、フライパンかトースターがあればグリルを買い足す必要もありません。焼くだけなら7〜10分、下処理を含めても20分以内で1品が完成します。まとめ買いをしたら下処理をしてすぐに冷凍しておくと、平日の夜は解凍・加熱するだけで済み、時短にもつながります。
よくある質問
Q1. グリルを使わないと生臭くなりませんか?
臭みの主な原因は水分の残りと内臓・血合いの処理不足です。下処理で水気をしっかり拭き取り、塩をふって10分置いてから焼けば、フライパンやトースターでもグリルと同様に臭みを抑えられます。
Q2. 内臓を取らずに丸ごと焼いても大丈夫ですか?
塩焼きであれば内臓ごと焼く方法も一般的です。ただし内臓には苦みがあり、鮮度が落ちていると臭みも出やすいため、購入から日にちが経っている場合は内臓を取り除いてから焼くと食べやすくなります。
Q3. 冷凍したさんまはどのくらいで食べきればいいですか?
下処理をして1尾ずつ密閉して冷凍した場合、2〜3週間を目安に食べきりましょう。それ以上冷凍庫に置くと乾燥や酸化で風味が落ちるため、期限内に使い切れる量だけ冷凍するのがおすすめです。
Q4. アニサキスが心配です。加熱すれば絶対に安全ですか?
中心部まで60℃で1分以上(または70℃以上で瞬時に)しっかり加熱すればアニサキスは死滅するとされています。今回紹介したフライパン・トースターの焼き方はいずれも中心まで火を通す調理法なので、目安の時間・火加減を守って調理してください。生食する場合は別途、目視での確認や冷凍処理が必要です。
フライパン用シート 24〜30cm フライパンメッシュシート ( メッシュシート 網 フライパン用 焼き物 魚焼きシート グリルマット 焦げ付き防止 こげない くっつかない フッ素加工 カット可 キッチンアイテム キッチン便利グッズ )
フライパンで魚を焼くなら、こういう専用シートを敷くと焦げ付かず後片付けも楽になります。
まとめ
さんまは魚焼きグリルがなくても、フライパンやオーブントースターで十分においしく焼けます。ポイントは下処理での水気拭き取りと塩によるひと手間、そして中心までしっかり火を通すこと。食べきれない分は下処理をしてから冷凍しておけば、2〜3週間はムダなく楽しめます。今日の夕食に、グリルいらずのさんま料理をぜひ試してみてください。


